不動産の所有者(オーナー)を調べる方法|地番・家屋番号から確認する手順
公開日:/最終更新日:
執筆・監修:株式会社レックアイ(GeoLead 運営会社)
目次
この記事の結論
不動産の所有者(オーナー)を調べる基本は、登記の確認です。特定の不動産については、所有者本人でなくても登記事項証明書や登記情報を請求・確認できます。ただし、所有者名を公的記録で確認する手続には原則として所定の手数料がかかります。
照会には郵便物に使う住所(住居表示)ではなく、登記上の「地番」(土地)・「家屋番号」(建物)が必要です。住所しか分からない場合は、先に地番・家屋番号を特定することが最初のステップになります。
逆に「特定の人が所有する不動産」を一般の第三者が所有者名から検索することはできません。所有物件の一覧を確認できるのは、登記名義人本人や相続人などに限られます(所有不動産記録証明制度・名寄帳)。
この記事の対象
- 隣地・空き家・気になる物件の所有者を確認したい方
- 賃借中の物件のオーナーを確認したい方
- 相続した(する予定の)不動産を整理したい方
- 訪問・DMの前に所有者を確認したい不動産会社の営業担当者
結論
先に結論:所有者調べは「登記の確認」が基本
不動産のオーナー(所有者)を調べる方法として、まず押さえるべき結論は次の3点です。
なお、本記事は一般的な調べ方の整理であり、個別の手続・法的判断に関する助言ではありません。相続や法的手続がからむ場合は、司法書士・弁護士等の専門家にご相談ください。
登記の確認が基本
土地・建物の所有者は法務局の登記記録に記録されており、特定の不動産については、所有者本人でなくても登記事項証明書の交付を受けたり、登記情報をオンラインで確認したりできます。
手数料は原則かかる
所有者名を公的記録で確認する手続には、原則として所定の手数料がかかります(金額は公式案内をご確認ください)。
地番・家屋番号が鍵
照会には郵便物に使う住所(住居表示)ではなく、登記上の「地番」「家屋番号」が必要です。ここでつまずく方が最も多いため、本記事では特定の手順も説明します。
出典: 法務局・登記・供託オンライン申請システムFAQ(確認日 2026-08-18)
検索の方向
最初に整理:不動産の所有者検索には3つの方向がある
「不動産 所有者 検索」と一口に言っても、調べたい方向によってできること・使う制度が異なります。最初にご自身のケースがどれかを確認してください。
- 1
特定の物件から所有者を調べたい(物件 → 所有者)
本記事の主題です。対象の不動産が特定できていれば、所有者本人でなくても登記事項証明書や登記情報で所有者の氏名・住所を確認できます(「単一物件の所有者を確認する最短手順」の章へ)。
- 2
特定の人が所有する不動産を探したい(所有者名 → 物件)
一般の第三者にはできません。登記情報提供サービスでは、所有者(登記名義人)の氏名による不動産の検索(いわゆる名寄せ)はできないことが公式に案内されています。氏名から所有物件を割り出す公的な検索手段は、一般には提供されていません。
- 3
本人・相続人等として、所有不動産を一覧で確認したい
登記名義人本人(個人・法人)、相続人その他の一般承継人、またはその代理人であれば、所有不動産記録証明制度(2026年2月2日開始)により、登記名義人となっている不動産の一覧の証明書の交付を法務局に請求できます。また、市区町村が固定資産課税の資料として作成する名寄帳の写しを、所有者本人・相続人・代理人等が請求できる場合があります(自治体により取り扱いが異なります)。いずれも一般の第三者は請求できません。
出典: 登記情報提供サービスFAQ #187・法務省「所有不動産記録証明制度」(確認日 2026-08-18)
目的別
目的別・調べ方の選択表
「社内で所有者を確認したい」だけであれば登記情報の確認で足りる場合が多く、金融機関・官公庁などへの提出書類として必要な場合は登記事項証明書の交付を受けます。両者の違いは関連記事「登記情報提供サービスとは」で詳しく解説しています。
| 目的 | 選択肢 |
|---|---|
| 特定物件の所有者を確認したい | 登記事項証明書または登記情報の確認(「単一物件の所有者を確認する最短手順」の章) |
| 提出用の証明書が必要 | 登記事項証明書(法務局で交付を受ける) |
| 本人・相続人として所有物件を一覧確認したい | 所有不動産記録証明書(法務局)・名寄帳の写し(市区町村) |
| 相続・法的手続の判断も必要 | 司法書士・弁護士等の専門家へ相談 |
| 不動産営業で複数物件をリスト化したい | 「不動産営業で複数物件の所有者を調べる場合」の章へ(所有者リスト作成の関連記事で解説) |
手順
単一物件の所有者を確認する最短手順(5ステップ)
- 1
対象の不動産を特定する
調べたい土地・建物の所在地(住所)を確認します。土地か建物か、マンションの場合はどの部屋かも整理しておきます。
- 2
住所(住居表示)から地番・家屋番号を特定する
登記の照会は住居表示ではできず、土地は「地番」、建物は「家屋番号」で特定します。固定資産税の課税明細書・登記済証(権利証)・登記識別情報通知書で確認できるほか、分からない場合の調べ方は「地番・家屋番号がわからない場合」の章で説明します。
- 3
確認方法を選ぶ
画面上で確認できれば足りる場合は登記情報提供サービス(オンライン)、証明書として書面が必要な場合は法務局で登記事項証明書の交付を受けます。オンラインで交付請求して郵送・窓口で受け取る方法もあります。
- 4
地番・家屋番号を指定して照会・請求する
いずれの方法でも、手順2で特定した地番・家屋番号を指定します。公的サービスの利用には原則として所定の手数料がかかります。最新の金額や操作方法は公式案内、または関連記事「登記情報提供サービスとは」をご確認ください。
- 5
権利部(甲区)で所有者の氏名・住所を確認する
登記記録の権利部(甲区)に、所有者の氏名(法人は商号)・住所と持分が記録されています。記録されているのは登記された時点の住所であり、その後の転居等が反映されていない場合がある点に注意してください。
出典: 法務局「登記事項証明書等のオンライン請求」・登記・供託オンライン申請システムFAQ(確認日 2026-08-18)。料金の具体額・操作詳細は本記事では扱わず、公式案内と関連記事に委ねます。
地番の調べ方
地番・家屋番号がわからない場合
住所(住居表示)しか分からない物件の地番・家屋番号は、次の方法で特定できます。各方法の詳しい手順は、関連記事「地番・家屋番号の調べ方」で解説しています。
手元の書類で確認する
対象不動産の登記済証(権利証)・登記識別情報通知書・固定資産税の課税明細書に地番・家屋番号が記載されています(自分・親族の不動産を調べる場合)。
法務局(登記所)に問い合わせる
管轄の法務局に住所を伝えて地番を照会できます。
ブルーマップ等の住宅地図資料で確認する
住居表示と地番を対照できる地図資料が、法務局や一部の図書館で閲覧できます。
登記情報提供サービスの地番検索サービスを使う
同サービスの利用者向けに、住宅地図から地番を検索できる機能が提供エリア限定で用意されています。地番検索サービスの利用自体に追加の利用料金はかかりませんが、表示される地図に個人名は表示されません。地図上で所有者が分かるわけではなく、あくまで地番を特定するための機能です。
出典: 登記・供託オンライン申請システムFAQ・登記情報提供サービスFAQ #196(確認日 2026-08-18)
物件種別
土地・戸建て・分譲マンションで調べ方はどう違うか
| 物件種別 | 特定に使う番号 | 注意点 |
|---|---|---|
| 土地 | 地番 | 1つの見た目の土地が複数の筆(地番)に分かれていることがある |
| 戸建て(建物) | 家屋番号(+敷地の地番) | 土地と建物は別の登記記録。所有者が異なる場合がある |
| 分譲マンション(区分建物) | 一棟の建物の所在・名称+専有部分の家屋番号 | 部屋番号と家屋番号は一致しないことがある |
土地
地番で照会します。広い駐車場や一体利用されている土地が複数の筆に分かれている場合、筆ごとに登記記録が存在します。
戸建て
土地(地番)と建物(家屋番号)でそれぞれ登記記録があります。建物の所有者を知りたいのか、土地の所有者を知りたいのかを区別してください。借地の場合など、両者の所有者が異なることがあります。
分譲マンション(区分建物)
部屋(専有部分)ごとに登記記録があり、照会には一棟の建物の所在・名称と専有部分の家屋番号が必要です。郵便物に使う部屋番号と家屋番号は一致しないことがあるため、家屋番号の確認が最初の関門になります。マンション全体(一棟)の登記記録では各部屋の所有者は分からないため、調べたい部屋を特定して照会します。区分建物の家屋番号の調べ方と所有者確認の手順は、関連記事「マンション(区分建物)の所有者の調べ方」で詳しく解説しています。
できること・できないこと
一般の第三者にできること・できないこと
できること:登記上の所有者の確認
特定の不動産について、所有者本人でなくても登記事項証明書の交付を受け、または登記情報を確認し、登記上の所有者の氏名・住所を確認する。
できること:地番・家屋番号の特定
住所から地番・家屋番号を特定する(「地番・家屋番号がわからない場合」の章の方法)。
できないこと:所有者名からの逆引き検索
「この人が持っている不動産の一覧」を、一般の第三者が公的サービスで検索することはできません(登記情報提供サービスでも所有者名による検索は不可)。
できないこと:名寄帳・所有不動産記録証明書の請求
いずれも所有者本人・相続人その他の承継人・その代理人等に限られ、一般の第三者は請求できません。
できないこと:登記記録にない情報の入手
電話番号・メールアドレスなどの連絡先は登記記録に記載されません。
知っておきたい限界:所有者が法人の場合
登記上の所有者が法人の場合は、商号・本店所在地が記録されます。法人の詳細は商業・法人登記で別途確認できます。
知っておきたい限界:所有者が死亡している場合
所有者が死亡していても、相続登記が済むまでは亡くなった方の名義のままのことがあります。登記記録から現在の相続人が分かるわけではありません。
知っておきたい限界:登記上の住所の鮮度
登記上の住所は登記された時点のものであり、現在の居住実態を保証するものではありません。
出典: 登記情報提供サービスFAQ #187・法務省「所有不動産記録証明制度」(確認日 2026-08-18)
営業実務
不動産営業で複数物件の所有者を調べる場合
ここまでは1件の物件を前提に説明しましたが、不動産営業の実務では「エリア内の複数物件について所有者を確認し、アプローチ先のリストを作る」場面が多くあります。件数が増えると、住所から地番を特定する工程と、確認結果をリストに整える工程(転記・名寄せ・送付先整備)が大きな負担になります。
複数物件の所有者を確認して営業用の所有者リストを作る手順(8ステップ・請求区分の選び方・重複の整理まで)は、関連記事「不動産の登記簿謄本から所有者リストを作る方法」で解説しています。
GeoLeadは、地図上で選んだ物件について登記情報の取得依頼と所有者データ化を支援するサービスです。機能の詳細は「登記情報の自動取得」の機能ページをご覧ください。
法令・運用への配慮
個人情報・利用目的の注意
登記由来でも個人情報
登記記録は公開されている情報ですが、そこから取得した所有者の氏名・住所が個人情報であることに変わりはありません。個人情報保護委員会のFAQでも、登記簿等により公開されている情報を取得する場合にも利用目的の特定が必要であるとされています。事業として取得・利用する場合は、利用目的の特定・公表等、個人情報保護法上の義務への対応が必要です。
調べた情報の使い方
所有者の確認結果を勧誘・送付などに使う場合は、受け取った方からの送付停止の申し出に対応できる体制も整えてください。
本記事は法的助言ではありません
個別の手続の要否や適法性の判断が必要な場合は、司法書士・弁護士等の専門家にご相談ください。
※ 本記事は一般的な実務の整理であり、法的助言ではありません。個別の適用可否については、 自社の法務担当者や専門家にご確認ください。
実務との対応
この記事の実務とGeoLeadの対応範囲
この記事で取り上げた工程・課題のうち、GeoLead が支援する範囲と、対象としていない範囲を整理します。
| 記事で取り上げた工程・課題 | GeoLead での扱い |
|---|---|
| 住所(住居表示)から地番・家屋番号を特定する | GeoLeadのChrome拡張(GeoLead Search)は、地図上で選んだ地点について地番候補の検索・確認を支援します。対象エリアは登記情報提供サービスの地番検索サービスの提供エリアに準じます。 |
| 地番・家屋番号を指定して照会・請求する | GeoLeadは、地図上で選んだ物件について登記情報の取得依頼と所有者データ化を支援するサービスです。 |
| 権利部(甲区)で所有者の氏名・住所を確認する | 取得した PDF から所有者情報を抽出します。 |
GeoLead で対応できないこと
- 「この人が持っている不動産の一覧」を、一般の第三者が公的サービスで検索することはできません(登記情報提供サービスでも所有者名による検索は不可)。
- 名寄帳・所有不動産記録証明書は、いずれも所有者本人・相続人その他の承継人・その代理人等に限られ、一般の第三者は請求できません。
- 電話番号・メールアドレスなどの連絡先は登記記録に記載されません。
- 所有者が死亡していても、相続登記が済むまでは亡くなった方の名義のままのことがあります。登記記録から現在の相続人が分かるわけではありません。
- 登記上の住所は登記された時点のものであり、現在の居住実態を保証するものではありません。
- 法務局が交付する登記事項証明書は取得できません。GeoLead が扱うのは登記情報提供サービスの登記情報(PDF)です。
用語解説
- 地番・家屋番号
- 登記上で土地・建物を特定する番号。郵便物に使う住居表示の住所とは別の体系で、登記の照会にはこちらが必要。
- 所有不動産記録証明制度
- 登記名義人本人(個人・法人)、相続人その他の一般承継人、またはその代理人が、登記名義人となっている不動産の一覧の証明書の交付を法務局に請求できる制度(2026年2月2日開始)。一般の第三者は請求できない。
- 名寄帳
- 市区町村が固定資産課税の資料として作成する、所有者ごとの不動産の一覧。所有者本人・相続人・代理人等が写しを請求できる場合がある(自治体により取り扱いが異なる)。一般の第三者は請求できない。
FAQ
よくある質問
- Q. 不動産の所有者は無料で調べられますか?
- 所有者名を公的記録で確認する手続には、原則として所定の手数料がかかります。登記事項証明書の交付にも、登記情報のオンライン確認にも料金が定められています(最新の金額は公式案内または関連記事「登記情報提供サービスとは」をご確認ください)。なお、登記情報提供サービスの地番検索サービスは利用者に追加料金なしで使えますが、表示される地図に個人名は表示されないため、無料で所有者が分かるものではありません。
- Q. 住所しか分からない物件の所有者を調べられますか?
- 調べられますが、先に地番・家屋番号の特定が必要です。登記の照会は住居表示(郵便物に使う住所)ではできないため、固定資産税の課税明細書等の手元書類、法務局への問い合わせ、ブルーマップ、地番検索サービスなどで地番・家屋番号を確認してから照会します。
- Q. 所有者の名前から、その人が持っている不動産を検索できますか?
- 一般の第三者にはできません。登記情報提供サービスでは所有者(登記名義人)の氏名による不動産の検索(いわゆる名寄せ)はできないと公式に案内されています。登記名義人本人・相続人その他の一般承継人・その代理人であれば、所有不動産記録証明制度(2026年2月2日開始)や市区町村の名寄帳で所有不動産を確認できる場合があります。
- Q. 分譲マンションの部屋のオーナーを調べるにはどうすればよいですか?
- 一棟の建物の所在・名称に加えて、対象の部屋(専有部分)の家屋番号を特定して照会します。部屋番号と家屋番号は一致しないことがあるため、家屋番号の確認が最初のステップです。マンション一棟の登記記録では各部屋の所有者は分かりません。
出典
- 不動産登記事項証明書の請求における地番・家屋番号(登記・供託オンライン申請システムFAQ) — 法務省 (2026-08-18 閲覧)
- 所有者名から登記情報を検索できますか(登記情報提供サービスFAQ #187) — 一般財団法人民事法務協会 (2026-08-18 閲覧)
- 地番検索サービスとは(登記情報提供サービスFAQ #196) — 一般財団法人民事法務協会 (2026-08-18 閲覧)
- 所有不動産記録証明制度について — 法務省 (2026-08-18 閲覧)
- 登記簿等の公開情報と利用目的の特定(個人情報保護委員会FAQ) — 個人情報保護委員会 (2026-08-18 閲覧)
- 登記事項証明書のオンライン請求 — 法務局 (2026-08-18 閲覧)