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ガイド所有者調査の基礎知識

マンション(区分建物)の所有者の調べ方|部屋ごとの登記と家屋番号の確認手順

公開日:2026年8月19日/最終更新日:2026年8月19日

執筆・監修:株式会社レックアイ(GeoLead 運営会社)

目次
  1. 先に結論:マンションは「部屋ごとの登記」を確認する
  2. 区分建物の登記の仕組み:一棟の登記では所有者は分からない
  3. 専有部分の家屋番号の特定が最初の関門
  4. 所有者確認の手順:区分建物での違い
  5. 複数の部屋・一棟単位で調べる場合の実務
  6. できないこと・知っておきたい限界
  7. 個人情報・利用目的の注意
  8. よくある質問
  9. あわせて読む
  10. 出典

この記事の結論

分譲マンションは「区分建物」として、部屋(専有部分)ごとに登記記録があります。特定の部屋については、所有者本人でなくても登記事項証明書の交付を受け、または登記情報を確認して、登記上の所有者の氏名・住所を確認できます。マンション一棟の登記記録では、各部屋の所有者は分かりません。

照会には、郵便物に使う住所や部屋番号ではなく、一棟の建物の所在・名称と、対象の部屋(専有部分)の「家屋番号」が必要です。部屋番号と家屋番号は一致しないことがあるため、家屋番号の特定が最初の関門になります。

所有者名から「その人が持っている部屋」を一般の第三者が検索することはできません。また、登記で確認できるのは所有者であり、部屋に住んでいる人(賃借人)とは別です。登記上の住所が最新とは限らない点にも注意が必要です。

この記事の対象

  • 物上げ・仕入れのためにマンションの部屋の所有者を確認したい不動産会社の営業担当者
  • 特定のマンションの複数の部屋・一棟単位で所有者を確認し、アプローチ先を整理したい方
  • 気になる部屋・隣室などの所有者(分譲オーナー)を確認したい方
  • 賃借中の部屋のオーナーを確認したい方

結論

先に結論:マンションは「部屋ごとの登記」を確認する

マンション(区分建物)の所有者の調べ方として、まず押さえるべき結論は次の3点です。

なお、本記事は一般的な調べ方の整理であり、個別の手続・法的判断に関する助言ではありません。相続や法的手続がからむ場合は、司法書士・弁護士等の専門家にご相談ください。

  • 部屋ごとに登記記録がある

    分譲マンションは部屋(専有部分)ごとに登記記録があり、特定の部屋については、所有者本人でなくても登記事項証明書の交付を受けたり、登記情報をオンラインで確認したりして、登記上の所有者の氏名・住所を確認できます。マンション一棟の登記記録では、各部屋の所有者は分かりません。

  • 照会には「一棟の所在・名称+専有部分の家屋番号」が必要

    郵便物に使う住所や部屋番号では登記を照会できません。一棟の建物の所在・名称と、対象の部屋の「家屋番号」を特定して照会します。

  • 部屋番号と家屋番号は一致しないことがある

    「305号室」の家屋番号が305とは限りません。ここでつまずく方が最も多いため、本記事では専有部分の家屋番号の調べ方から説明します。

出典: 登記情報提供サービスFAQ #195(確認日 2026-08-19)

仕組み

区分建物の登記の仕組み:一棟の登記では所有者は分からない

分譲マンションは、法律上「区分建物」と呼ばれます。一棟の建物のうち、構造上区分され、独立して住居・店舗などの用途に使える部分(専有部分)が、それぞれ別々の所有権の対象になります。

登記記録もこの考え方に対応しています。

  • 専有部分ごとに登記記録がある

    各部屋(専有部分)の登記記録に、その部屋の表示(家屋番号・種類・構造・床面積など)と、所有者などの権利関係が記録されます。あわせて、一棟の建物の表示(所在・建物の名称など)も記録されます。

  • 一棟の登記記録(表題部)では各部屋の所有者は分からない

    マンション全体の情報をひとつ確認すれば全部屋の所有者が分かる、という仕組みにはなっていません。調べたい部屋を特定して、その専有部分の登記記録を確認します。

  • 廊下・エントランスなどは共用部分

    専有部分以外の建物の部分などは共用部分であり、部屋ごとの所有者調査では、専有部分の登記記録を確認することになります。

  • 多くのマンションでは「敷地権」が記録される

    専有部分を所有するための敷地の権利(敷地利用権)のうち、登記され、専有部分と分離して処分できないものは「敷地権」として扱われ、その種類・割合が専有部分の登記記録にあわせて表示されます。この場合、部屋の所有者を確認する目的では、土地の登記記録を別に照会しなくても済むことが多くなります。

出典: 建物の区分所有等に関する法律 第1条・第2条/不動産登記法 第2条第22号・第44条第1項第9号(e-Gov法令検索・確認日 2026-08-19)

家屋番号

専有部分の家屋番号の特定が最初の関門

区分建物の照会で最初につまずくのが、専有部分の「家屋番号」です。家屋番号は登記上建物を特定するための番号で、郵便物や集合ポストに使う部屋番号とは別に定められています。このため、部屋番号と家屋番号は一致しないことがあり、部屋番号だけでは照会できない場合があります。

地番・家屋番号そのものの基礎知識(住居表示との違い・戸建てを含む一般的な調べ方)は、関連記事「地番・家屋番号の調べ方」で解説しています。ここでは、区分建物に特有のポイントに絞って説明します。

専有部分の家屋番号は、次の方法で特定できます。

  • 手元の書類で確認する

    対象の部屋の登記済証(権利証)・登記識別情報通知書・固定資産税の課税明細書に家屋番号が記載されています(自分や関係者の部屋を調べる場合)。

  • 管轄の法務局(登記所)に問い合わせる

    手元の書類で確認できない場合の問い合わせ先として、公式FAQでも管轄の登記所が案内されています。マンションの所在・名称と部屋番号を伝えて、対象の専有部分の家屋番号を確認する方法が実務では使われています。

  • 登記情報提供サービスの「土地からの建物検索指定」を使う

    敷地(底地)の所在・地番を指定すると、その土地上に建築されている建物を検索し、表示された一覧から請求する建物(専有部分)を指定できます。マンション名や部屋番号から直接検索する機能ではないため、先に敷地の地番を特定しておく必要があります(地番の調べ方は関連記事「地番・家屋番号の調べ方」へ)。なお、閉鎖された登記記録の情報は取得できないなどの制限があります。

出典: 登記情報提供サービスFAQ #195・「土地からの建物検索指定」操作説明・登記・供託オンライン申請システムFAQ(確認日 2026-08-19)

手順

所有者確認の手順:区分建物での違い

所有者確認の全体の流れ(対象の特定 → 地番・家屋番号の特定 → 確認方法の選択 → 照会・請求 → 権利部で所有者を確認、の5ステップ)は、関連記事「不動産の所有者(オーナー)を調べる方法」で解説しています。ここでは、マンション(区分建物)で異なる点だけを説明します。

  • 照会は「一棟の建物の所在・名称+専有部分の家屋番号」で指定する

    土地の地番や部屋番号ではなく、「専有部分の家屋番号の特定が最初の関門」の章で特定した専有部分の家屋番号を使います。請求の際は、一棟の建物の所在(と名称)に加えて、対象の専有部分の家屋番号を指定します。

  • 所有者の氏名・住所だけなら「所有者事項」の確認で足りる場合が多い

    登記情報提供サービスには、登記記録の全部を確認する請求のほかに、所有者の氏名・住所などに絞った「所有者事項」の請求区分があります。アプローチ先の確認だけが目的であれば、所有者事項の確認で足りる場合が多くあります。請求区分や料金の詳細は、関連記事「登記情報提供サービスとは」をご確認ください。

  • 敷地権付きなら土地の照会を省けることが多い

    「区分建物の登記の仕組み」の章のとおり、敷地権付き区分建物では敷地の権利の表示が専有部分の登記記録にあわせて記録されるため、部屋の所有者確認の目的では土地の登記記録を別に照会しなくても済むことが多くなります。

出典: 「土地からの建物検索指定」操作説明(所有者事項の請求区分の存在・確認日 2026-08-19)。料金・操作の詳細は本記事では扱わず、公式案内と関連記事に委ねます。

複数部屋

複数の部屋・一棟単位で調べる場合の実務

物上げ・仕入れの実務では、特定の一部屋ではなく「このマンションの複数の部屋」「一棟まるごと」の所有者を確認したい場面があります。登記記録は部屋(専有部分)ごとに存在するため、原則として、調べたい部屋の数だけ照会が必要です。一棟の登記記録をひとつ確認すれば全部屋の所有者が分かる、という公的な手段は用意されていません。

件数が多い場合の現実的な段取りは次のとおりです。

  1. 1

    対象部屋の一覧を作る

    対象マンションの所在・名称と、調べたい部屋番号の一覧を整理します。

  2. 2

    家屋番号との対応を確定する

    「専有部分の家屋番号の特定が最初の関門」の章の方法で各部屋の家屋番号を特定します。登記情報提供サービスの「土地からの建物検索指定」では、検索結果の一覧から複数の建物(専有部分)を選択して請求できるため、敷地の地番が分かっていれば対応関係を整理しやすくなります。

  3. 3

    照会結果を一覧に整理する

    所有者の氏名・住所の転記、同一所有者の重複整理、送付先の整備が必要になります。営業用の所有者リストを作る手順は関連記事「不動産の登記簿謄本から所有者リストを作る方法」で、所有者へのDM送付の進め方は関連記事「不動産オーナーへのDM」で解説しています。GeoLeadは、地図上で選んだ物件について登記情報の取得依頼と所有者データ化を支援するサービスです。機能の詳細は「所有者調査」の機能ページをご覧ください。

出典: 「土地からの建物検索指定」操作説明(確認日 2026-08-19)

注意点

できないこと・知っておきたい限界

  • できないこと:所有者名からの逆引き検索

    「この人が持っている部屋の一覧」を、一般の第三者が公的サービスで検索することはできません。登記情報提供サービスでも、所有者(登記名義人)の氏名による不動産の検索(いわゆる名寄せ)はできないと公式に案内されています。

  • できないこと:入居者(住んでいる人)の確認

    登記記録で確認できるのは所有者です。賃貸に出ている部屋では、住んでいる人(賃借人)と所有者は別であり、登記記録から入居者が分かるわけでもありません。

  • できないこと:連絡先の入手

    電話番号・メールアドレスなどの連絡先は登記記録に記載されません。

  • 知っておきたい限界:登記上の住所が最新とは限らない

    記録されているのは登記された時点の住所であり、その後の転居などが反映されていない場合があります。所有者が死亡していても、相続登記が済むまでは亡くなった方の名義のままのことがあります。

  • 知っておきたい限界:未登記・閉鎖された登記記録

    登記されていない建物には登記記録自体が存在しません。また、取り壊しなどで閉鎖された登記記録の情報は、土地からの建物検索指定では取得できません。

  • 知っておきたい限界:所有者が法人の場合

    商号・本店所在地が記録されます。法人の詳細は商業・法人登記で別途確認できます。

出典: 登記情報提供サービスFAQ #187・「土地からの建物検索指定」操作説明(確認日 2026-08-19)

法令・運用への配慮

個人情報・利用目的の注意

  • 登記由来でも個人情報

    登記記録は公開されている情報ですが、そこから取得した所有者の氏名・住所が個人情報であることに変わりはありません。個人情報保護委員会のFAQでも、登記簿等により公開されている情報を取得する場合にも利用目的の特定が必要であるとされています。事業として取得・利用する場合は、利用目的の特定・公表等、個人情報保護法上の義務への対応が必要です。

  • 調べた情報の使い方

    所有者の確認結果を勧誘・送付などに使う場合は、受け取った方からの送付停止の申し出に対応できる体制も整えてください。

  • 本記事は法的助言ではありません

    個別の手続の要否や適法性の判断が必要な場合は、司法書士・弁護士等の専門家にご相談ください。

※ 本記事は一般的な実務の整理であり、法的助言ではありません。個別の適用可否については、 自社の法務担当者や専門家にご確認ください。

FAQ

よくある質問

Q. 部屋番号が分かれば、マンションの部屋の所有者を調べられますか?
部屋番号だけでは照会できない場合があります。登記の照会は専有部分の「家屋番号」で行い、部屋番号と家屋番号は一致しないことがあるためです。手元の書類、管轄の法務局への問い合わせ、登記情報提供サービスの「土地からの建物検索指定」などで家屋番号を特定してから照会します。
Q. マンション一棟の登記を確認すれば、全部屋の所有者が分かりますか?
分かりません。区分建物では部屋(専有部分)ごとに登記記録があり、所有者は各専有部分の登記記録に記録されています。複数の部屋の所有者を確認したい場合は、原則として部屋ごとの照会が必要です。
Q. マンションの部屋に住んでいる人が所有者ですか?
住んでいる人が所有者とは限りません。賃貸に出ている部屋では、入居者(賃借人)と所有者は別です。登記記録で確認できるのは登記上の所有者であり、入居者の情報は登記記録には記録されません。
Q. マンションの登記を調べるのに費用はかかりますか?
所有者名を公的記録で確認する手続には、原則として所定の手数料がかかります。登記事項証明書の交付にも、登記情報のオンライン確認にも料金が定められています。最新の金額や請求区分の違いは、公式案内または関連記事「登記情報提供サービスとは」をご確認ください。

あわせて読む

地番・家屋番号の調べ方を確認する所有者確認の全体手順(5ステップ)を見る登記情報提供サービスの料金・利用区分を確認する登記情報の取得依頼を効率化する(機能を見る)ガイド一覧に戻る

出典

  • 地番や家屋番号が分からないとき(登記情報提供サービスFAQ #195) — 一般財団法人民事法務協会 (2026-08-19 閲覧)
  • 土地からの建物検索指定(登記情報提供サービス操作説明) — 一般財団法人民事法務協会 (2026-08-19 閲覧)
  • 建物の区分所有等に関する法律(昭和37年法律第69号) — e-Gov法令検索 (2026-08-19 閲覧)
  • 不動産登記法(平成16年法律第123号) — e-Gov法令検索 (2026-08-19 閲覧)
  • 不動産登記事項証明書の請求における地番・家屋番号(登記・供託オンライン申請システムFAQ) — 法務省 (2026-08-19 閲覧)
  • 所有者名から登記情報を検索できますか(登記情報提供サービスFAQ #187) — 一般財団法人民事法務協会 (2026-08-19 閲覧)
  • 登記簿等の公開情報と利用目的の特定(個人情報保護委員会FAQ) — 個人情報保護委員会 (2026-08-19 閲覧)

目次

  1. 先に結論:マンションは「部屋ごとの登記」を確認する
  2. 区分建物の登記の仕組み:一棟の登記では所有者は分からない
  3. 専有部分の家屋番号の特定が最初の関門
  4. 所有者確認の手順:区分建物での違い
  5. 複数の部屋・一棟単位で調べる場合の実務
  6. できないこと・知っておきたい限界
  7. 個人情報・利用目的の注意
  8. よくある質問
  9. あわせて読む
  10. 出典

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