不動産オーナーへのDMの送り方|リスト作成から発送・反響計測までの手順
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執筆・監修:株式会社レックアイ(GeoLead 運営会社)
目次
この記事の結論
不動産オーナーへのDMは、「①送付先リストを作る → ②DMの形式を選ぶ → ③文面・宛名を用意して発送する → ④反響を計測して改善する」の4工程で進めます。最初に全体の流れを押さえ、各工程を順番に整えていくことが基本です。
送付先となる所有者の氏名・住所は、登記の確認で調べるのが基本です。電話番号やメールアドレスは登記記録に記載されないため、登記をもとにした最初の接点は郵送のDMが中心になります。
登記など公開情報から取得した氏名・住所も個人情報であることに変わりはありません。DMに利用する場合は、利用目的の整理と、送付停止の申し出に対応できる体制の整備が必要です。
この記事の対象
- 不動産オーナーへのDM送付をこれから始める不動産会社の営業担当者
- 仕入れ・査定・工事・サービス案内など、所有者へのアプローチ手段を検討している方
- DMの形式(封書・ハガキ・圧着ハガキ)の使い分けを整理したい方
- 送付後の反響の計測方法や、登記由来情報の取り扱いに不安がある方
全体像
不動産営業でDMが使われる理由と全体の流れ
不動産営業で所有者(オーナー)にアプローチする場合、DM(ダイレクトメール)が使われるのには構造的な理由があります。訪問営業との使い分けや、リスト作成・発送を外注する場合との比較は、それぞれ比較記事「訪問営業(飛び込み)との比較」「外注との比較」で整理しています。
登記から分かる連絡先は氏名・住所のみ
土地・建物の所有者の氏名・住所は登記の確認で調べられますが、電話番号やメールアドレスは登記記録に記載されません。そのため、登記をもとにした最初の接点は郵送のDMが中心になります。
物件単位でアプローチ先を選べる
DMは「このエリアのこの物件の所有者に届けたい」という物件起点の営業と相性がよく、送付先を自社で選定・管理できます。
相手の時間を拘束しない
紙のDMは受け取った方が自分のタイミングで目を通せるため、電話や訪問に比べて接触の負担が小さい手段です。手元に保管され、後日読み返されることもあります。
本記事で説明する4工程
本記事では、DMを自社で送るまでの流れを「①送付先リストを作る → ②DMの形式を選ぶ → ③文面・宛名を用意して発送する → ④反響を計測して改善する」の4工程に分けて説明します。あわせて、送付停止・個人情報の扱いまで整えて、はじめて継続的に運用できる体制になります。
リスト作成
手順1: 送付先リストを作る
DMの成果は文面より先に「誰に送るか」で決まります。送付先リストの作成は、次の3工程に分かれます。
- 1
対象物件を選ぶ
エリア・物件種別など、自社がアプローチしたい条件で対象の土地・建物を絞り込みます。なお、対象物件の選び方の一つに「登記受付帳」という資料を起点とする方法もあります。登記受付帳の仕組みと制度改正の影響については、関連記事「登記受付帳とは」をご覧ください。
- 2
所有者の氏名・住所を確認する
対象物件の所有者は、登記の確認で調べます。住所(住居表示)から地番・家屋番号を特定して照会する手順、土地・戸建て・マンションでの違いは、関連記事「不動産の所有者(オーナー)の調べ方」で解説しています。
- 3
確認結果をリストに整える
確認した氏名・住所を送付先リストの形に整えます。複数物件を所有する方の重複整理(名寄せ)や送付先情報の整備を含むリスト化の手順は、関連記事「登記簿謄本から所有者リストを作る方法」で解説しています。
本記事ではリスト作成の工程名のみを示しています。地番・家屋番号の特定や名寄せなどの具体的な手順は、上記の関連記事で解説しています。
形式選び
手順2: DMの形式を選ぶ
不動産営業のDMでよく使われる形式は、封書・ハガキ・圧着ハガキの3系統です。情報量・内容の見え方・作成の手間がそれぞれ異なるため、送る内容に合わせて選びます。各形式の仕様や印刷・発送の詳細は、機能ページ「DM印刷・発送」をご覧ください。
| 形式 | 情報量 | 内容の見え方 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| ハガキ | 少ない | 記載内容が第三者にも見える | 短い案内を簡潔に届けたい場合 |
| 圧着ハガキ | 中程度 | 開くまで中面が見えない | ハガキの手軽さを保ちつつ、情報量や内容の秘匿性を確保したい場合 |
| 封書(定形・定形外) | 多い | 開封するまで見えない | 資料や図面などを同封し、丁寧な体裁で届けたい場合 |
記載する情報の性質で選ぶ
個別の物件に触れる内容や、受け取った方以外に見えることが望ましくない内容は、ハガキではなく圧着ハガキ・封書を選びます。
情報量で選ぶ
伝えたい内容が多い場合や同封物がある場合は封書が向きます。一般に、情報量の多い形式ほど作成・発送の負担は大きくなります。
開封のハードルを考える
封書は開封の一手間がある分、ハガキ類は手に取った時点で内容が目に入るという違いがあります。どちらが適するかは内容と目的によります。
文面・発送
手順3: 文面・宛名を用意して発送する
文面と宛名の作成では、次の基本を押さえます。DMは受け取る方にとっては面識のない相手からの郵便物であるため、「誰が・何のために送ったのか」が明確に分かることが出発点です。
差出人と連絡先を明記する
社名・所在地・連絡先を明記します。問い合わせや送付停止の申し出を受け付ける窓口が分かるようにしておきます。
情報の出所を書く慣行
宛先をどのように知ったのか(例: 登記情報をもとにお送りしている旨)を記載する慣行があります。受け取った方の不安を減らし、問い合わせ時の説明も一貫します。
誇張しない
根拠を示せない断定や、実際の条件と異なる有利な表現は使いません。文面は社内の確認(必要に応じて法務・コンプライアンス部門)を通してから使うことをおすすめします。
宛名は登記上の氏名・住所を正確に
送付先リストの氏名・住所をそのまま使い、敬称・表記の誤りがないか確認します。登記上の住所は登記された時点のものであるため、転居等により宛先不明で返送されることがあります。返送された宛先はリストに反映し、再送しないよう管理します。
発送の工程
発送の工程は、印刷 → 宛名印字 → (封書の場合)封入・封かん → 差出の流れです。件数が少なければ自社で行えますが、件数が増えると宛名の突合や封入の作業負担が大きくなります。印刷から発送までをまとめて行う方法は、機能ページ「DM印刷・発送」をご覧ください。
具体的な文例は本記事では扱いません。文面は取り扱う物件・目的・自社の表現基準によって大きく異なるためです。
反響計測
手順4: 反響を計測して改善する
DMは送って終わりではなく、「どの送付先・どの内容に反応があったか」を計測して次回に活かすことで、継続的に改善できます。計測の設計は送付前に済ませておくのがポイントです。
- 1
反応経路を用意する
電話番号、問い合わせ先のWebページ、QRコードなど、受け取った方が反応できる経路をDMに明記します。
- 2
どのDMからの反応かを識別できるようにする
送付の回・対象エリア・形式ごとに反応経路を分けておくと(例: QRコードの出し分け)、どの送付が反応につながったかを後から確認できます。QRコードを使った反響計測の仕組みは、機能ページ「QRコード反響計測」をご覧ください。
- 3
送付リストと反応を突き合わせる
反応のあった送付先をリストに記録し、送付数に対する反応の割合や、反応が多かった条件(エリア・物件種別・形式など)を確認します。
- 4
1要素ずつ変えて比較する
次回の送付では、送付先の条件・形式・文面のうち1つの要素を変えて比較すると、何が効いたのかを判断しやすくなります。
反響率の目安となる数値は、業種・エリア・対象・内容によって大きく異なるため本記事では扱いません。自社の送付実績をもとに比較・改善することをおすすめします。
法令・運用への配慮
送付停止・個人情報の扱い
登記由来でも個人情報
登記記録は公開されている情報ですが、そこから取得した所有者の氏名・住所が個人情報であることに変わりはありません。個人情報保護委員会のFAQでも、登記簿等により公開されている情報を取得する場合にも利用目的の特定が必要であるとされています。DMへの利用にあたっては、利用目的の特定・公表等、個人情報保護法上の義務への対応が必要です。
送付停止の申し出に対応できる体制を整える
DMを受け取った方から送付停止の申し出があった場合に、速やかに送付先リストへ反映し、以後の送付を止められる管理体制を整えてください。停止依頼の受付窓口をDMに明記しておくことも、この体制の一部です。
本記事は法的助言ではありません
個人情報の取り扱いや表示に関する個別の判断が必要な場合は、弁護士等の専門家にご相談ください。
※ 本記事は一般的な実務の整理であり、法的助言ではありません。個別の適用可否については、 自社の法務担当者や専門家にご確認ください。
FAQ
よくある質問
- Q. 不動産オーナーへのDMの送付先はどうやって調べればよいですか?
- 対象物件の所有者の氏名・住所を登記で確認するのが基本です。住所から地番・家屋番号を特定して照会する手順は関連記事「不動産の所有者(オーナー)の調べ方」で、確認結果を送付先リストに整える手順は関連記事「登記簿謄本から所有者リストを作る方法」で解説しています。
- Q. 封書・ハガキ・圧着ハガキはどう使い分ければよいですか?
- 伝えたい情報量と、内容が第三者に見えてよいかで選びます。短い案内はハガキ、内容を見せずに情報量も確保したい場合は圧着ハガキ、資料の同封や丁寧な体裁が必要な場合は封書が向いています。各形式の仕様は機能ページ「DM印刷・発送」をご覧ください。
- Q. 登記情報をもとにDMを送っても問題ありませんか?
- 登記など公開情報から取得した氏名・住所も個人情報であるため、利用目的の特定・公表等、個人情報保護法上の義務への対応が必要です。あわせて、送付停止の申し出に対応できる体制を整えてください。個別の判断が必要な場合は、弁護士等の専門家にご相談ください。
出典
- 登記簿等の公開情報と利用目的の特定(個人情報保護委員会FAQ) — 個人情報保護委員会 (2026-08-19 閲覧)