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営業地図の作り方|不動産営業の顧客マッピングと運用手順

公開日:2026年7月27日/最終更新日:2026年7月28日

執筆・監修:株式会社レックアイ(GeoLead 運営会社)

この記事の結論

営業地図とは、顧客・物件・訪問先といった営業情報を地図上に可視化し、アプローチ先の選定と進捗管理に使う地図のことです。作り方は、①目的とエリアを決める → ②地図に載せる項目を決める → ③データを整える → ④地図に落とし込む → ⑤更新ルールを決めて運用する、の5ステップです。

道具は「紙の地図」「汎用の地図サービス」「営業支援ツール(地図機能つき)」の3つに大別できます。一人で試すだけなら無料の汎用地図サービスでも始められますが、チームでの共有範囲、接触履歴の記録、個人情報の管理まで含めると、どこまでを地図に担わせるかの設計が必要になります。

不動産営業の場合は、地図上のピン(物件)とアプローチ先(所有者)が同じではない点が特有です。所有者が現地に住んでいるとは限らないため、営業地図の設計とあわせて、所有者の調べ方や送付停止(オプトアウト)管理まで見据えておくと、あとから作り直さずに済みます。

この記事の対象

  • 新規開拓のエリアを決めて回る不動産営業の担当者(売買仲介・賃貸管理・買取再販・リフォームなど)
  • Excelや紙で管理している顧客・物件リストを、地図で見える化したい営業チーム
  • 訪問・ポスティング・DMの結果をエリア単位で振り返りたい営業管理者
手順

営業地図の作り方 — 5つの手順

  1. 1

    目的とエリアを決める

    最初に「この地図で何を判断したいのか」を1つに絞ります。新規開拓先の選定なのか、訪問結果の記録なのか、DM反響の振り返りなのかで、載せるべき項目と更新の頻度が変わります。あわせて対象エリアを決めると、この後のデータ量が見積もれます。

    目的を欲張って全部盛りにすると、更新が追いつかず使われない地図になりがちです。まず1つの目的で小さく始めるのが定石です。

  2. 2

    地図に載せる項目を決める

    項目のテンプレートは「住所」「名称(物件名・顧客名)」「区分(物件種別・顧客区分)」「ステータス(未接触・接触済み・見込み・対応不可など)」「最終接触日と内容」「次のアクション」「担当者」の7つが基本です。不動産営業なら、これに「築年・構造」「所有者が判明しているか」を加えます。

    氏名・住所を載せた時点でその地図は個人情報を含むデータになります。共有範囲の設計(手順5)とセットで考えてください。

  3. 3

    データを整える

    地図への取り込みで最初につまずくのが住所の表記ゆれです。「1丁目2番3号」と「1-2-3」の混在、建物名の有無、旧町名などを揃えておかないと、ピンが立たない・別の場所に立つ・同じ相手が重複する、が起きます。同一人物・同一法人をまとめる名寄せもこの段階で行います。

    不動産営業では、日常の住所(住居表示)と登記上の番号が別体系である点にも注意が必要です。登記情報を確認する段階では、土地は地番、建物は家屋番号が必要になり、区分建物(マンション)では対象住戸の家屋番号を確認します。

  4. 4

    地図に落とし込む

    道具は「紙の地図」「汎用の地図サービス」「営業支援ツール(地図機能つき)」の3択です(比較表を参照。機能・管理の細かさは製品により異なります)。どの道具でも要になるのがピンの色分けによるステータス設計で、たとえば「白=未接触/青=接触済み/緑=見込み/赤=対応不可・送付停止」のように、チーム全員が同じ基準で読める色のルールを決めます。

    色の意味はチームで統一し、地図の凡例として明文化してください。人によって色の使い方が違う地図は、共有した瞬間に信用できなくなります。

  5. 5

    更新ルールを決めて運用する

    営業地図は作った瞬間から古くなり始めます。「誰が・いつ・何をしたら更新するか」(例:接触したその日のうちに担当者がステータスを変更する)と、「どの頻度でエリア単位の振り返りをするか」を決めて初めて、判断に使える地図になります。

    更新が続かない場合は、項目が多すぎるサインです。手順2に戻って項目を減らしてください。

判断基準

ツール選び・運用設計の判断基準

  • チームで共有するか、一人で使うか

    一人で使うなら紙や無料の地図サービスで十分始められます。チームで使うなら、同時編集・担当者ごとの見え方・更新の反映方法まで含めて設計が必要です。

  • 管理する件数の規模

    件数が増えるほど、手作業での登録・更新・重複整理の負担が急に重くなります。リストからの一括取り込みと、地図上での絞り込みができるかを確認してください。

  • 記録したい履歴の種類

    訪問・電話・DM送付・反響など、どの接触履歴をピンに紐づけて残したいかを先に決めます。地図と履歴が別のツールに分かれると、二重入力になり更新が止まりがちです。

  • 手元のリストとの往復のしやすさ

    既存のExcel・CSVリストを取り込めるか、逆に地図側のデータをリストとして書き出せるかは、日々の運用コストを大きく左右します。

  • 個人情報の扱い

    氏名・住所を含む地図を誰と共有するのか、アクセスできる範囲を制御できるのか、退職者が出たときにどう権限を外すのかまで確認しておくと安全です。

紙の地図・汎用の地図サービス・営業支援ツールの比較

観点紙の住宅地図汎用の地図サービス営業支援ツール(地図機能つき)
始めやすさ購入すればすぐ使える無料で始めやすい導入・初期設定が必要(費用はツールによる)
ピンの登録シール・手書きで記入住所リストの取り込みや手動登録リストの一括取り込み・地図上での登録・現場のスマホからの登録など
ステータスの色分けマーカーやシールの色で手作業ピンの色・アイコンを変更できるステータスやタグと連動して自動で色分け
チーム共有同じ紙面を物理的に共有共有・共同編集が可能(共有範囲の設計は自分たちで行う)アカウント・権限の単位で共有
接触履歴の記録書き込み欄が限られるメモ欄はあるが、履歴の蓄積・集計は別途設計が必要訪問・電話・DMなどの履歴をピンに紐づけて記録
リストとの往復手作業で転記取り込み・書き出しの機能はサービスの仕様に依存CSV等での取り込み・書き出しを前提に設計されていることが多い
個人情報の管理紛失・持ち出しのリスク管理が必要共有リンクの範囲設定など運用ルールを自分たちで決めるアクセス権限・操作記録などの管理機能(内容はツールによる)
限界と注意点

汎用の地図サービスを営業で使うとき、別途設計が必要なこと

  • 接触履歴の蓄積と振り返り

    ピンとメモだけでは「いつ・誰が・何をしたか」の履歴が積み上がりません。履歴を表計算など別の場所で管理すると二重入力になり、どちらかの更新が止まりやすくなります。

  • 担当者・閲覧範囲の管理

    共有そのものは可能でも、「誰にどこまで見せるか・編集させるか」の設計は運用側の責任になります。個人情報を含む地図では、共有リンクの扱いを含めたルール作りが必要です。

  • 送付停止・訪問辞退の反映

    「今後の連絡を希望しない」という申し出を受けた相手を、地図とリストの両方から確実に除外し続ける必要があります。送付停止の台帳との照合や除外の仕組みまで担えるかはサービスの仕様によるため、申し出の受付から反映までの流れを自分たちで決めておきます。

  • 不動産営業特有:ピンの先にいる所有者

    地図の建物にピンを立てても、アプローチする相手はその所有者であり、現地に住んでいるとは限りません。所有者の氏名・住所は登記情報から調べる工程が別に必要です。GeoLeadは、地図上の物件登録を起点に、所有者調査・DM・反響の記録までを一つのサービスでつなぐ不動産営業向けのツールです。

法令・運用への配慮

顧客情報を地図で扱うときの注意点

  • 地図上の顧客データも個人情報

    氏名・住所をピンに載せた時点で、その地図は個人情報を含むデータベースです。利用目的をできる限り具体的に特定し、あらかじめ公表するか、取得後速やかに本人へ通知または公表してください(法令上の例外を除きます)。アクセスできる担当者の限定、保管と廃棄のルールなど、リストと同じ管理も求められます。

  • 共有範囲と持ち出しのルール

    社外の人が閲覧できる共有リンクを発行しない、私物端末への保存を制限する、退職・異動時に権限を外す、といった基本の運用を明文化してください。紙の地図の場合は持ち出しと廃棄のルールが該当します。

  • 送付停止・訪問辞退の確実な反映

    申し出を受けた相手への再アプローチは、クレームや信頼喪失に直結します。地図のステータス(対応不可)とリストの除外フラグを同時に更新し、次回のリスト作成時にも引き継がれる流れにしておきます。

※ 本記事は一般的な実務の整理であり、法的助言ではありません。個別の適用可否については、 自社の法務担当者や専門家にご確認ください。

用語解説

営業地図
顧客・物件・訪問先などの営業情報を地図上に可視化し、アプローチ先の選定や進捗管理に使う地図。顧客マップ・営業マップと呼ばれることもある。
マッピング
住所などの位置情報を持つデータを地図上にプロット(配置)すること。営業の文脈では、顧客リストや物件リストを地図に落とし込む作業を指すことが多い。
ステータス設計
ピンの色・アイコン・タグで「未接触・接触済み・見込み・対応不可」などの状態を表す運用ルール。チームで基準を揃えないと地図の情報が信用できなくなるため、営業地図の要になる。
住居表示と地番・家屋番号
日常の住所表記(住居表示)と、登記記録上の番号(土地は地番、建物は家屋番号)は別の体系。地図上の物件から所有者を調べる段階では、住居表示ではなく地番・家屋番号が必要になり、区分建物(マンション)では対象住戸の家屋番号を確認する。
名寄せ
表記のゆれを吸収して、同一の人物・法人が保有する複数のレコードを1件にまとめる作業。同じ所有者が複数の物件を持つ場合の重複アプローチを防ぐために行う。
FAQ

よくある質問

Q. 営業地図は何のために作るのですか?
「どのエリアの、どの相手に、どの順でアプローチするか」の判断をしやすくするためです。住所の一覧では見えない位置関係・密集度・空白エリアが地図では把握しやすく、訪問・ポスティング・DMいずれの手法でも、エリア選定と結果の振り返りに使えます。
Q. Excelの顧客リストだけではだめですか?
リスト管理そのものはExcelでも成り立ちますが、位置関係が見えないため「近くまで行ったのに気づかなかった」「同じエリアに別々の担当者が重複して当たっていた」といったことに気づきにくくなります。リストを正としつつ、地図はそれを空間的に見るためのビューと考えるのが実務的です。
Q. 無料で始める方法はありますか?
Googleマップのマイマップ機能など、無料の汎用地図サービスに住所リストを取り込んでピンを立てる方法があります。個人での試行やエリアの下見には十分使え、閲覧・編集の共有設定も可能です。一方で、担当範囲ごとの細かな管理、接触履歴の蓄積・集計、送付停止の継続的な反映といった営業固有の運用が必要な管理粒度を満たすかは確認が必要で、不足分は地図サービスの外側で設計することになります。チームで本格運用する段階で仕組みを見直すことが多いです。
Q. 不動産営業の場合、何をピンにすればよいですか?
基本は「対象物件」をピンにします。ただし、アプローチする相手はその物件の所有者であり、所有者が現地に住んでいるとは限りません。物件のピンに「所有者が判明しているか」「所有者の住所はどこか」という情報を持たせ、物件の地図と所有者リストを対応づけて管理するのが実務のポイントです。
Q. 訪問しないDM中心の営業でも役立ちますか?
役立ちます。DM中心の営業では、送付先の選定(どのエリアの、どんな物件・所有者に送るか)と、反響の振り返り(どのエリアからの反応が多いか)が成果を左右します。営業地図はこの2つをエリア単位で判断するための道具になります。
Q. 個人情報の観点で気をつけることはありますか?
地図上に載せた氏名・住所などの顧客データも個人情報です。誰が閲覧・編集できるかの範囲を決める、社外への共有リンクを不用意に発行しない、送付停止や訪問辞退の申し出を確実に反映する、といった運用ルールをあらかじめ決めてください。詳細は本文の注意点の章で整理しています。

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出典

  • 個人情報保護法についてのガイドライン(通則編) — 個人情報保護委員会 (2026-07-27 閲覧)
  • 登記情報提供制度の概要 — 法務省 (2026-07-27 閲覧)

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