源泉営業のKPI設計:DM・訪問・登記調査の行動量と歩留まりを数値化する方法
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執筆・監修:株式会社レックアイ(GeoLead 運営会社)
目次
この記事の結論
源泉営業のKPIは、自社から接点をつくるまでの工程に合わせて設計します。DMの送付、訪問、登記調査など、自社が実行した活動を起点に置き、その活動から次の段階へ進んだ割合を同じ条件で記録することが基本です。
設計するときは、最終目標から中間成果を置き、さらに必要な行動へさかのぼります。業界共通の水準を当てはめるのではなく、自社の対象条件、期間、集計単位、除外条件を決め、同じ定義で継続して記録します。
日々の記録には、送付通数、訪問件数、登記取得件数、有効候補数、宛先不明率、反響経路別件数を用います。週次では入力漏れや活動の偏りを確かめ、月次では対象条件や経路ごとの差を振り返り、次の期間の計画に反映します。
この記事の対象
- 不動産の源泉営業で、DM・訪問・登記調査の活動記録を整えたい営業担当者
- 仕入れ営業の計画と実績を同じ定義で振り返りたい営業責任者
- Excelやスプレッドシートで記録を始め、後から運用方法を見直せる形にしたい方
基礎知識
源泉営業と反響営業でKPIが異なる理由
源泉営業とは、営業側が対象エリアや物件の条件を決め、候補の確認、所有者調査、DM、訪問などを通じて自社から接点をつくる活動です。入口となる活動を自社で計画するため、KPIは「どの対象に、どの方法で、どれだけ行動したか」から組み立てます。
一方、反響営業は、ポータルサイト、自社サイト、広告、紹介などから届いた問い合わせを入口にして対応を始めます。問い合わせ後の対応を測る項目は、源泉営業の上流工程とは起点が異なるため、本記事の対象外です。
両者を同じ表に入れる場合も、最初から一つの割合にまとめないようにします。源泉営業では自社が選んだ対象と実行した行動を母集団にし、反響営業では受け付けた問い合わせを母集団にします。入口を分けることで、活動量が足りないのか、対象条件が合っていないのか、接触後の対応のどこを確認すべきかを混同しにくくなります。
本記事では、所有者調査、DMの送り方、仕入れ経路の選び方そのものは工程名の整理に留めます。全体像は記事「不動産の仕入れ営業とは」、DMの実務は記事「不動産オーナーへのDMの送り方」で解説しています。
設計手順
目標から逆算してKPIを組み立てる
KPIは、記録しやすい項目を先に並べるのではなく、最終目標、中間成果、行動量の順でつながりを確認します。考え方は「目標 ← 中間成果 ← 行動量」です。最終目標に至るまでにどの状態を通るかを定義し、その状態をつくるために担当者が実行できる活動へ分解します。
たとえば、一定期間の営業目標を置いたら、その手前に「相談につながった対象」「返信や問い合わせがあった対象」「接触できた対象」など、自社の業務で判定できる中間成果を置きます。さらに上流へ戻り、送付、訪問、登記取得、候補確認といった行動へつなげます。所有者調査やDMの具体的な進め方は既存ガイドで解説しているため、本記事では各工程の実施手順には踏み込みません。
歩留まりは、前の工程に入った対象のうち、次の工程へ進んだ対象の割合として定義します。計算式は「次の工程へ進んだ対象数 ÷ 前の工程に入った対象数」です。これは割合の定義であり、目標水準や業界平均を示すものではありません。ただし、分子と分母の期間、対象条件、重複の扱いが異なると比較できません。送付後に時間を置いて反響が届く場合は、発送した期間を基準にまとめるのか、反響を受けた期間を基準にまとめるのかを先に決めます。
必要な行動量を考えるときは、自社で蓄積した同じ条件の歩留まりから逆算します。業界の相場を初期値として固定するのではなく、対象エリア、物件条件、接触経路、集計期間をそろえた自社の記録を使います。記録が少ない段階では仮の計画として扱い、実績が増えた時点で計算条件を見直します。
また、KPIごとに担当者と更新時点を決めます。行動を実施した人が記録する項目、返送や問い合わせを受けた人が記録する項目、責任者が締め日に確認する項目を分けると、未入力と実績なしを区別できます。評価に使う前に、入力ルールがそろっているかを確認することが先です。
項目定義
源泉営業で記録する指標一覧
源泉営業の上流では、担当者が実行・確認できる入力に絞って記録します。次の表は、DM、訪問、登記調査から反響の入口までを同じ条件で振り返るための最小構成です。各社で名称を変える場合も、分子・分母、取得元、確認頻度を定義欄に残します。
| 指標名 | 定義(分子・分母) | 取得元 | 確認頻度 |
|---|---|---|---|
| 送付通数 | 対象期間に発送済みとして記録された郵送物の通数。単純集計のため分母は設けない。再送を別の活動として数えるかを事前に決める。 | 発送記録、配送事業者の受付記録 | 日々入力し、週次で照合 |
| 訪問件数 | 対象期間に実施済みとして記録された訪問の回数。単純集計のため分母は設けない。同じ対象への再訪を区別する。 | 訪問記録、接触履歴 | 訪問後に入力し、週次で確認 |
| 登記取得件数 | 対象期間に調査結果を受領し、取得完了と判定した物件の数。単純集計のため分母は設けない。再取得と初回取得を分ける。 | 登記調査の依頼・受領記録 | 受領時に入力し、週次で確認 |
| 有効候補数 | 自社が定めた対象条件と確認条件を通過し、接触準備へ移せる候補の総数。単純集計のため分母は設けない。除外理由も別に残す。 | 候補リスト、対象判定記録 | 週次 |
| 宛先不明率 | 分子は宛先不明で返送された通数、分母は同じ発送期間・同じ集計対象の送付通数。返送待ちの扱いと締め日を固定する。 | 返送記録、発送記録 | 週次で仮集計し、月次で確定 |
| 反響経路別件数 | DM、訪問など、最初の接点として記録した経路ごとの反響数。単純集計のため分母は設けない。複数経路に接触した場合の主経路の決め方を統一する。 | 問い合わせ受付、接触履歴 | 発生時に入力し、週次・月次で集計 |
施策や担当者ごとに集計したい場合も、最初は上の定義を変えず、属性を追加して絞り込みます。同じ対象への再送や再訪を含めるか、取り消した記録を集計から外すか、期間をまたぐ返送をどこに計上するかを決めておくと、担当者ごとの解釈差を抑えられます。 費用対効果を検討するときは、対象期間に含める費用の範囲と、費用を割る社内成果の単位を先に決めます。関連する機能の範囲は、営業パフォーマンスの機能ページで確認できます。 本記事では数値の目安は扱いません。効果、反応の割合、宛先不明率、行動量について一律の水準を置かず、自社で定義をそろえて蓄積した記録を比較に使います。
記録方法
送付・反響・接触履歴の記録方法
送付記録は、対象を選んだ記録と発送した記録を分けます。発送前の候補を送付済みとして数えないようにし、発送日、使用した施策、対象を特定できる社内ID、返送の有無を結び付けます。再送する場合は元の記録を上書きせず、新しい活動として関連付けると、送付通数と対象数を取り違えにくくなります。
反響経路は、問い合わせを受けた時点で記録します。DM、訪問、紹介などの選択肢をあらかじめ決め、自由記述だけにしないことが重要です。複数の接点がある場合は、最初の接点、直前の接点、問い合わせた方の申告のうち、どれを集計に使うかを社内ルールにします。判断できない場合の区分も用意し、推測で経路を埋めないようにします。
接触履歴には、実施日、接触方法、担当者、結果、次に確認する日、送付停止の申し出を残します。反応がなかった場合も未入力にせず、実施済みで結果なしと判定できる状態にします。登記由来の氏名・住所などを扱う場合は、利用目的、安全管理、送付停止対応を運用に含めます。詳しい注意点は記事「不動産オーナーへのDMの送り方」で解説しています。
Excelやスプレッドシートで始める場合の列は、工程名として「対象選定」「物件確認」「登記調査」「接触準備」「DM送付・訪問」「反響受付」「送付停止」を置くところまでに留めます。詳細な項目を増やす前に、各工程を誰がいつ更新するかを決めます。
Excelは小さく始めやすい一方、同時編集や履歴の追跡を含む運用方法は利用人数や更新頻度によって変わります。管理方法の違いは「Excel管理との比較」で解説しています。
振り返り
週次と月次で見直す
週次の確認は、入力の欠落と直近の行動を整えるために行います。送付、訪問、登記取得が計画どおり記録されているか、返送や反響が元の対象に結び付いているか、確認待ちの記録が残っていないかを見ます。ここでは短い期間の増減だけで対象条件を変えず、まず記録遅れ、担当者ごとの入力差、集計対象のずれを除きます。
月次の確認では、同じ条件でまとめた期間同士を比べます。活動から中間成果へ進んだ割合、経路ごとの反響数、対象条件ごとの違いを確認し、次の期間で継続する条件と見直す条件を決めます。発送後の返送や反響に時間差がある場合は、締め日時点で未確定のものを区別し、後から確定した結果で過去期間を更新するルールも決めます。
結果が悪化したときは、最初に「量か質か」を分けます。量は予定した送付、訪問、登記取得を実行できたかという行動面です。質は、有効候補の判定条件、住所確認、接触内容など、次の工程へ進む前提に確認点がないかという対象面です。量が不足している段階で対象条件だけを変えたり、入力漏れを成果の低下と判断したりしないようにします。
次に「経路か対象か」を分けます。経路を見るときは、DMや訪問などの接点ごとに同じ定義で記録できているかを確認します。対象を見るときは、エリア、物件条件、調査時点など、自社が候補を選んだ条件ごとに差を確かめます。一度に複数の条件を変えると要因を追いにくくなるため、変更内容と開始日を記録し、次回の振り返りで同じ条件を参照できるようにします。
週次と月次の役割を分けると、日々の入力修正と営業方針の変更を同じ場で扱わずに済みます。週次でデータを整え、月次で対象や経路の組み合わせを検討する流れを繰り返し、自社の記録に基づいて計画を更新します。
実務との対応
この記事の実務とGeoLeadの対応範囲
この記事で取り上げた工程・課題のうち、GeoLead が支援する範囲と、対象としていない範囲を整理します。
| 記事で取り上げた工程・課題 | GeoLead での扱い |
|---|---|
| 目標から逆算してKPIを組み立てる | GeoLeadは、記録した活動と月次の目標を照らして振り返る運用を支援します。 |
| 源泉営業で記録する指標一覧 | GeoLeadは、営業活動を所有者ごとに記録し、チームで共有・検索する運用を支援します。 |
| 送付・反響・接触履歴の記録方法 | GeoLeadは、DM送付、電話、訪問、メモなどの履歴を所有者ごとに残す運用を支援します。 |
| 週次と月次で見直す | GeoLeadは、記録した活動を期間ごとに確認し、振り返る運用を支援します。 |
GeoLead で対応できないこと
- 反響営業(ポータル反響)の対応KPI管理は、本記事とこの案内の対象外です。
- 月次目標の着地見込、反響後の工程別の確認、DM費・登記費の自動集計は、営業パフォーマンスの機能ページで解説しています。
- 営業日報・勤怠管理は、GeoLeadの対応範囲外です。
用語解説
- 源泉営業
- 営業側が対象エリアや物件の条件を決め、調査、DM、訪問などを通じて自社から接点をつくる営業活動。
- 反響営業
- ポータルサイト、自社サイト、広告、紹介などから届いた問い合わせを入口として、その後の対応を進める営業活動。
- 歩留まり
- ある工程に入った対象のうち、定義した次の工程へ進んだ対象の割合。比較時は期間、対象条件、除外条件をそろえる。
- 着地見込
- 現時点の実績、残りの期間、直近の活動状況をもとに、集計期間の終了時点を見積もった値。確定実績とは分けて扱う。
FAQ
よくある質問
- Q. 仲介のKPIと源泉営業のKPIは何が違いますか?
- 仲介のKPIは、受け付けた問い合わせを開始点として、その後の対応を測る場合があります。源泉営業では、候補選定、登記調査、DM、訪問など、自社から接点をつくる活動を開始点にします。同じ表で扱う場合も、母集団と開始時点を分けて定義します。
- Q. DMの反応率の目安はどのくらいですか?
- 本記事では数値の目安を扱いません。対象条件、送付内容、集計期間、反響の定義によって結果が変わるため、送付した期間と対象を固定し、自社の記録を継続して比較します。
- Q. 専用ツールがなくてもKPIの記録を始められますか?
- Excelやスプレッドシートでも始められます。最初に工程名、集計単位、担当者、更新時点を決め、送付記録、反響経路、接触履歴を同じ社内IDで結び付けます。運用人数や更新頻度が増えたら、入力権限や変更履歴を含めて管理方法を見直します。